Short Piece Vol.2 ライブ写真



Short Piece Vol.2 ライブレポート

すっかり秋も深まる2012年9月28日。
小雨混じりの仙台で、Short Piece vol.2が開催された。

Short Piece は、今年のARABAKI ROCK FEST. に出演したRyo Hamamotoを中心に、
ARABAKI PROJECTが、期待のニューカマーを紹介するイベント。
その趣旨通り、今回は、これからの活躍がますます期待されるであろうアーティストが揃って出演した。

一組目は、南壽あさ子。
今年の6月にシングル「フランネル」でデビューした、注目のシンガーソングライター。
仙台に来るのは二度目だそう。
ピアノの美しい響きと、透明感のある歌声が、ライヴハウスを情景豊かに染めていき、
場内の全員が、その一音一音に聴き惚れている様子だった。
披露された曲は、とても耳馴染みの良い美しいメロディーの楽曲ばかりで、
どこかしら、昭和歌謡や、シティ・ポップのような懐かしいエッセンスが、安心感を与えてくれる。
その曲調からは、新旧のポップスを中心とした幅広い音楽的バックボーンを感じさせてくれた。
これからどんどん活動の場を広げていくだろう、そんな予感に満ち溢れた、素敵なライブだった。

二組目は、Any。
東京を中心に活動している、3人組のバンドで、現在全国ツアーの真っ最中。
仙台でのライヴはこれが初めてにも関わらず、
既に仙台でもファンを獲得しているようで、耳の早いリスナーが会場に足を運んでいた。
日常で抱える孤独感等をストレートに表現する歌詞が楽曲の核をなしていたが、
丁寧に歌い紡ぐボーカル、ギターのコードストロークの力強さ、
メロディックなベースライン、ダイナミックなドラミング、
それぞれが一体となるアンサンブルが、曲のイメージを増幅させていたように感じた。
Anyもまた、これからますます存在感を大きくしていくバンドだと思う。
そう確信させてくれるステージだった。

最後に登場したのは、レギュラー出演者となるRyo Hamamoto。
今回はアルバム以外からの選曲も多かったが、さらにカバー曲も披露された。
演奏されたのは、Bob Dylanの「Just Like A Woman」。
個人的にはDylanの中でもかなり好きで何度も聴いた曲だが、
すっかりRyo Hamamotoのスタイルに馴染んで、自分の曲のようになっていたことに驚いた。
いつ聴いても耳を奪われる歌声に加えて、
自在に音を操るギターの響きもまたRyo Hamamotoの魅力だが、
その魅力は本当にオリジナルなものなのだと、カバー曲を通して改めて知ることができた。
最後には、突然「やってみたいことがある」と言いながら、自らフロアに下りての演奏。
いつもながらのマイペースぶりにちょっと驚いたが、
バーで演奏してたという経験から、お客さんとの距離が近い方が本人もやりやすい様子。
より間近になった演奏には、ただただ圧倒されるばかり。
演奏が終わると、Ryo Hamamotoが深くお辞儀をし、今回のライブは幕を下ろした。

何度も言うようだが、今回は本当にこれからの活躍を予感させるライブが目白押しだった。
出演したアーティスト全員、その名前を聞く機会がどんどん増えていくことになると思う。

10月26日開催のvol.3も、きっと素敵な音楽が溢れる夜になることだろう。
次回、またお会いしましょう。

Short Piece Vo.3/Vol.4の詳細はこちら